子供の頃って、ちょっとした森や山を探検するのがやたらと楽しくて、そこにちょうどいいスペースや物があったりすると、それを秘密基地にしたりしましたよね。特に郊外やちょっとした田舎に住んでいた子だと、そういうの経験がある場合が多いんじゃないでしょうか。

僕の場合は、山の中に捨てられた廃車が秘密基地でしたね。近所の小さな山の奥に黒いワゴン車が捨てられていて、ボロボロといえばボロボロなんですが、今にも崩れ落ちそうだとか汚くてたまったもんじゃないとかそういうこともなく、そのうえ扉も開閉するし屋根もあるしで、最高の秘密基地と化しました。座ってみたかった運転席に座って運転の真似事をやってみたりもしましたし、友達と一緒に家からクッションや使わなくなったもの、漫画を持ち寄って居心地をよくしたりと、秘密基地生活を思い切り楽しみました。あの頃は毎日のように秘密基地へ行ってましたし、そこでの時間が楽しくて仕方なかったです。ずっとこんな時間が続けばいいのになぁと、子供ながらに思ったものです。

ただ、やはり飽きというのはくるもので、半年も経った頃にはそこへ顔を出す友達も減っていました。なんだかんだで人が来ないとつまらなく、結局僕もそこへ行く頻度は減っていきました。僕も友達も家から持ってきた私物を少しずつ持ち帰って行ったので、秘密基地の楽しさや居心地のよさは減少するばかり。最終的には誰も行かなくなってしまいました。でもまぁ、これも秘密基地遊びにはつきものですがね。

今では、あんなところに廃車を放置しないでちゃんとしろと思いますが、子供の頃の楽しい思い出をきれた大切な秘密基地でもあるので、色々と不思議な気持ちですね。